<372> 県外視察(大分県大分市)

視察報告③ 大分県大分市(防災会議と議会BCPについて)
 大分市庁舎議会棟において大分市議会議長挨拶の後仲道俊寿氏、帆秋誠悟氏の説明を受ける。
議会BCP策定に至る経過。平成24年12月、市長に対し「災害対策に関する提言書」(議会として防災に関する取組を全議員で構成する大分市議会議員政策研究会で取りまとめた内容)を提出した。その中の「議会の役割」において「大分市議会防災会議を設置し、本市の災害対策について監視するとともに、災害発生時においては、大分市議会災害時対策会議を設置し、大分市災害対策本部と情報の共有を図る中で、迅速な対応、復旧、復興に向け協力する。」としたことを受け、大分市議会防災会議設置要綱及び大分市議会災害時対策会議設置要綱を平成25年2月に制定した。
 また、「大分市議会防災会議の初動体制」、「大分市議会災害時行動マニュアル」を作成するとともに、「議会BCP」を策定し、「防災会議と議会BCP」として平成28年12月に一冊にまとめた。令和4年3月には、感染症に関する「議会BCP(感染症対策編」を策定した。
 「大分市議会防災会議」は、常設の機関で、地区組織を置き、議員はいずれか一つの地区組織に所属し、危険箇所等の視察、訓練等参加、研修・講演会の開催等行う。
「大分市議会災害時対策会議」は、市域内で震度5強以上の地震発生時等に設置、災害情報の共有、応急対策、復興等について検討、必要に応じて市長に対し提言等行う。
災害発生時の定例会における議案審議継続のための事業計画では、定例会の招集前から最終日の6つの期間(①告示前、②告示後、③本会議開催、④一般質問中、⑤委員会審査、⑥閉会日開議)に分け、6ケースで具体的な運営マニュアルを作成している。
 倉吉市においても議会BCPの策定は本年度行ったが、具体的な運用についてはこれからであり、先進事例として大分市の取組はとても参考になった。特に、大分市機会防災会議における平時の議会としての取組、大分市議会災害時対策会議設置時のケースに応じた具体的な運用は倉吉議会としても検討すべきであると考える。大人数の議会でありながら全議員が同じ方向で進める秘訣を大分市議会基本条例策提示の苦労話をうかがう中でいただけ、今後の取組の参考としたい。